お客様は神様か

2a18e3662248c515e957c020ae66a7a4_s


大西悠貴

「お客様は神様です」という言葉は
1961年に演歌歌手の三波春夫と
漫談家の宮尾たか志の対談で生まれた。

歌い手である三波春夫にとっての「お客様」とは、
聴衆・オーディエンスのこと。
「歌う時にあたかも神前で祈るかのように
雑念を払って心をまっさらにすることで、
完璧な芸をお見せすることができるのです」
お客様を神様と捉えることで、芸に磨きをかけ、最高の芸を見せる。
決して無条件にお客様を崇めて奉るという意味ではない。

しかし、この言葉は違った意味で広まってしまった。
客商売の世界で「お客様は神様だから、何でも言うことを聞かなくてはならない」
というようになっているのが現状だ。
客はお金を払っているから何をしてもいいし、
店側が何でもしてくれると思っている。
店側が「いらっしゃいませ」と言うのに対し、
客は何も言わないという日本の商売スタイルが物語っている。

欧米では来店した客に対して、「Hello.」が一般的。
いらっしゃいませの意味ももちろん含まれているが、
客に近い立場、親密な立場を思わせるものだ。
そして客が帰るときには「Have a great day.」だ。
これが必ずしも良いとは限らないが、
少なくともこれとは対照的で、今広がってしまっている意味での
「お客様は神様」という考えは私自身好きではない。
みなさんはいかがだろうか。